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2006'09.10.21:28

耽美な世界

谷崎潤一郎『痴人の愛』 読了


書店で新潮文庫の100冊」の中に入っているのを見かけて、学生時代に読んで以来の読み返しをしてみることに…
谷崎潤一郎といえば明治・大正・昭和にかけて活躍した耽美派の文豪でノーベル賞候補にも挙がった人
私生活では3回の結婚、三角関係の縺れなど波乱万丈型な人生を送りました
谷崎潤一郎を人間的に評価するなら 「マゾヒストでフェチズムが強いフェミニスト」 といったところ
「美しい女性大好き!容姿端麗な女性なら極悪人だろうが人格破綻してようが正しいの!!」なんて感じで著作はまさに私小説

私(主人公・譲二)は15歳でカフェに働くナオミを手元に引き取り、いずれ妻にすべく自分好みの女性に育て上げることにした
譲二の思惑どおりに年を追うごとに美しくなるナオミ
譲二はナオミの美しさに心を奪われ、いつしかナオミの虜となっていく
ナオミは次第に自由奔放にやりたい放題しはじめる
ナオミが自分の目の届かぬところで不貞を働いていることに気づいた譲二は激怒した挙句に家からナオミを追い出すものの、結局は先に折れ手元に戻って欲しいと泣きつく始末
自分好みに育て上げるといった当初の予定とは違いナオミのなすがままになっていく

1924年に書かれたとは思えないような内容
当時の妻だった千代子の妹で女優のせい子がモデル
谷崎はせい子に入れあげて千代子と上手くいかなくなり、その千代子に作家・佐藤春夫が手を出そうとすると激怒し三角関係に…
結局は谷崎は離婚、佐藤と千代子は晴れて結ばれるという結末
その後、谷崎はせい子と結婚することなく他の女性と2回結婚してます

主人公譲二は完全なマゾでフェチ(谷崎自身と一緒)です
それは作中にいやってほどでてくるので間違いなし
ナオミ全体の容姿よりも足や顔のパーツに欲情し、馬になって上に乗られることを渇望する
それも28歳のときに15歳の女の子を手元に引き取って
文学作品でなければただのあぶない人ですよ…

1924年当時の話なのでよくわからない言葉や地名がよく出てきますが、本の巻末には大量の注解が載っていてわかりやすくなってます
その中ですごいのが、本文中に浜田(ナオミの友人)が譲二に対してナオミのことを忠告する場面についている注解
「まるでみんなが慰み物にしているんで、とても口に出来ないようなヒドイ仇名さえ附いているんです。」
ヒドイ仇名の注解:恐らく、淫売婦や多淫な女を言う俗語「共同便所」であろう
なにもそこまではっきり書かなくても…w

話自体には山場や落ち、思想的なものはほとんど感じられませんが内容は耽美派らしいもの
「譲二バカな奴だなぁ…」と蔑むもよし、「ナオミむかつくわぁ…」とイライラするもよし、文章を楽しむもよし
読んだことのない方は、一度谷崎の耽美な世界を覗いてみてはいかがでしょう
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